波やうねり、潮の流れ、透明度は、なぜ日によって変わるの?

SOLBOY Learning 知識の補足(海の性質)|全20レッスンの一覧

同じ海でも、水面が細かく波立つ日もあれば、ゆったり大きく上下する日もあります。流れを強く感じる時間と、ほとんど感じない時間があり、遠くまで見渡せる日もあれば、白っぽくかすむ日もあります。海の様子は、なぜ日によって、時間によって変わるのでしょうか?

この記事では、波とうねり、潮の満ち引きと流れ、水の見え方(透明度)、水温の層の仕組みを、海で見えることとつなげて説明します。

まず何が起きるの?

海に出ると、こんな違いに気づくことがあります。

  • 風が強い日は水面が細かく波立ち、風が弱い日でも大きくゆったり上下することがある
  • 同じ場所でも、時間によって流れを感じたり、感じなかったりする
  • 遠くまで見える日と、白っぽくかすんで見える日がある
  • 潜っていく途中で、急にひんやりする深さがある

どれも、風・月と太陽の引力・水に浮かぶ粒・水の温まり方という、別々の仕組みから説明できます。

30秒で理解

  • 波は、風のエネルギーが水を伝わっていくもの。遠くの風が生んだ波は、うねりとなって届く。
  • 潮の満ち引きは月と太陽の引力で起き、それに伴う水平の動きが潮の流れになる。向きと強さは時間とともに変わる。
  • 透明度は、水に浮かぶ細かい粒やプランクトンの量で変わる。水温の層は、表面の水が風と波で混ぜられ、その下に冷たい水があることでできる。

なぜそうなる?

波は、水ではなくエネルギーが進んでいく

NOAA(アメリカ海洋大気庁)の解説では、波はエネルギーが水を通り抜けることで生まれ、水を円を描くように動かすと説明されています。水そのものが遠くまで運ばれるのではなく、運ばれていくのはエネルギーです。海の波の多くは、水面を吹く風と水とのこすれ合いで生まれます。

波が通るとき、水は円を描くように動きます。そのため、波がある日は、水の中にいても体が前後や上下に揺られることがあります。

うねりは、遠くの風が生んだ波

強い風が長く吹いた海で育った波は、風の吹いた場所を離れても遠くまで進みます。進むうちに、波と波の間隔は長くなり、高さは低くなっていきます。こうして届く波が、うねりです。

そのため、その場所の風が弱い日でも、遠くで生まれたうねりが届いて、水面がゆったり大きく上下していることがあります。岸に近づいたうねりは、海底の影響を受けて進む向きを変えることもあります。

潮の満ち引きと、潮の流れ

海面がゆっくり高くなったり低くなったりする潮の満ち引きは、月と太陽の引力によって起きます。NOAAの解説では、この上下の動きに伴って、海水が水平に動く流れが生まれ、これを潮の流れ(潮流)と呼んでいます。

潮の流れの向きや強さは、時間とともに変わります。NOAAの解説では、河口や入り江など沿岸の一部の場所では、潮の満ち引きに伴って流れの向きが陸側と沖側で入れ替わり、そのあいだに流れが弱まることがあると説明されています。月の満ち欠けによって流れの強い時期と弱い時期があり、湾の形などの地形によって流れが強まることもあります。同じ場所でも、時間によって流れを感じたり感じなかったりするのはこのためです。

風も、流れをつくる

流れをつくるのは潮だけではありません。風は、水面やその近くの水を動かして流れをつくります。潮の流れと風による流れが重なるため、流れの向きや強さは、その日の条件によって変わります。

透明度は、水に浮かぶ粒で変わる

USGS(アメリカ地質調査所)の解説では、水が濁って見えるのは、粘土や泥の細かい粒、細かく砕けた有機物、プランクトンなどの小さな生き物が水に浮かんでいるためだと説明されています。粒が多いほど、光は粒に当たって散らばり、遠くまで見通せなくなります。

海の表面近くには、日光を使って育つ小さな植物プランクトンが浮かんでいます。こうした粒の量は、場所や日によって変わります。水中で青く見える理由(水が光を吸収すること)とは、別の仕組みです。

水温の層

海の表面に近い水は、風や波で混ぜられて温まり方がそろいます。その下には、深さとともに水温が急に下がる層があり、さらに下には冷たい水があります。この層ができる深さや強さは、場所や季節によって変わります。潜っていく途中で、見えない境目を通ったように急にひんやりするのは、この層に入ったときです。

この言葉はどういう意味?

ここまで出てきたものに、名前をつけておきます。

  • 遠くの風が生んで、その場所まで届いてくる波を「うねり」と呼びます。
  • 潮の満ち引きに伴って生まれる、海水の水平の流れを「潮流(ちょうりゅう)」と呼びます。流れが弱まる時間を「潮止まり」と呼ぶことがあります。
  • 水の中でどのくらい遠くまで見通せるかを「透明度」と呼びます。
  • 深さとともに水温が急に変わる層を「水温躍層(すいおんやくそう)」と呼びます。

名前を覚えることが目的ではありません。「波・流れ・見え方・水温は、それぞれ別の仕組みで変わる」と分けて考えられれば十分です。

実際の海ではどう感じる?

同じポイントでも、潜る日や時間が違うと、まるで別の海のように感じることがあります。波やうねり、潮の流れ、透明度、水温は、それぞれ別の仕組みで変わるので、ある日は波が穏やかでも濁っている、別の日は透明度が高くても流れがある、ということも起こります。

流れを感じたときの考え方は、「ダイビング中に流れを感じたら?」で紹介しています。

講習で一緒に確かめたいこと

  • 潜る前に聞いた流れの向きと、水中で感じた流れの向き
  • 透明度が高い日と低い日で、水の中の見え方がどう違ったか

想定シナリオ:午前と午後で違う海

【想定シナリオ】(実際の出来事ではなく、イメージをつかむための架空の例です)

同じ日に、同じあたりの海で2回潜った。午前はほとんど流れを感じず、遠くの魚の群れまで見えた。午後は、水面は穏やかなのに流れを感じ、水も少し白っぽくかすんで見えた、という場面。

この場面で起きていたことは、別々の仕組みで説明できます。流れの違いは、時間とともに潮の流れの向きや強さが変わったためと考えられます。見え方の違いは、水に浮かぶ細かい粒やプランクトンの量が変わったためと考えられます。水面が穏やかでも、流れや見え方は同じように穏やかとは限らないのです。

覚えて帰る3ポイント

  1. 波は風のエネルギーが水を伝わるもの。遠くの風が生んだ波は、うねりとして届く。
  2. 潮の流れは、月と太陽の引力による潮の満ち引きに伴って生まれ、向きと強さが時間とともに変わる。風も流れをつくる。
  3. 透明度は水に浮かぶ粒の量で、水温の層は表面の水と深い水の違いで変わる。どれも別の仕組みで変わる。

確認クイズ

Q1. その場所の風が弱い日でも、水面がゆったり大きく上下していることがあるのはなぜ?

ア. 遠くの風が生んだ波が、うねりとして届いているから イ. 水温が高いから ウ. 透明度が高いから

Q2. 水が白っぽくかすんで、遠くまで見通せない日があるのはなぜ?

ア. 水が光を吸収して青くなるから イ. 水に浮かぶ細かい粒やプランクトンが多く、光が散らばるから ウ. 潮の満ち引きで水が増えるから

答え:Q1はア。うねりは、遠くで強い風が吹いた海で育った波が、風の場所を離れて届いたものです。

Q2はイ。透明度は、水に浮かぶ粒の量で変わります。青く見える仕組み(水による光の吸収)とは別の仕組みです。

次に理解するとよいこと

この記事では、海の様子が日や時間によって変わる仕組みを見てきました。

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