SOLBOY Learning Lesson 2 / 20(基礎を知る)|全20レッスンの一覧
飛行機が降りていくとき、耳がつまったような、奥から押されるような感じになったことはありませんか。海に潜ったときにも、耳に「押される」「つまる」という感じが出ることがあります。
この記事では、なぜ潜ると耳が痛くなるのか、そして「耳抜き」が何をしているのかを、専門用語を使わずに説明します。耳抜きのやり方を覚えるための記事ではなく、「なぜ必要なのか」「なぜ痛いまま潜り続けないのか」を理解するための記事です。
まず何が起きるの?
水面から少しずつ沈んでいくと、耳の奥が外から押されるような、ふさがるような感じがしてきます。沈んでいく途中で、つまった感じや痛みが出ることがあります。
この感じは、沈んでいくにつれて、まわりから押す力が強くなることと関係しています。
30秒で理解
- 耳の奥には、空気の入った小さな部屋がある。
- 潜ると、外からその部屋を押す力が強くなり、内側との間に力の差ができる。
- その差を小さくする動作が「耳抜き」。痛みや不快感があるときは、無理に沈み続けない。
なぜそうなる?
耳の奥には、空気のある場所がある
耳の穴の奥には、外からは見えない、空気の入った小さな部屋があります。ダイビングで耳がつまったように感じるとき、この部屋の内側と、まわりから押す力との差が関係しています。
潜ると、外側から押す力が強くなる
水の中では、深くなるほど、まわりから押す力が強くなります。この押す力は、耳の奥の空気の部屋にも、外側からかかります。
内側と外側で、力の差ができる
外から押す力が強くなると、部屋の外側と内側で、力に差ができることがあります。この差を十分に合わせられないままだと、耳がつまったような感じや不快感が起こり、さらに沈むと痛みが強くなることがあります。
だから、差を小さくする必要がある
差をそのままにして沈み続けると、耳を傷めてしまうことにつながる可能性があります。だから、沈んでいく途中で、内側と外側の差を小さくしてあげる必要があります。痛みや不快感は、無理に沈み続けないための判断の目安です。
そのために行うのが「耳抜き」
内側と外側の差を小さくするために行う動作を、「耳抜き」と呼びます。耳抜きにはいくつかの方法がありますが、この記事では方法そのものではなく、なぜ必要なのかを扱います。
実際の海ではどう感じる?
初めてのダイバーでは、沈んでいくときの耳の圧力調整を難しく感じる場合があります。全員に当てはまるわけではありません。
大切なのは、痛みや不快感が出たときの判断です。
痛いときは、そのまま沈み続けない
ダイビングでは、水面から下へ沈んでいくことを「潜降」と呼びます。痛みや不快感がある場合は、無理に潜降を続けない。これが基本の考え方です。
必要なら、少し浅いところへ戻って、穏やかにもう一度、内側と外側の差を合わせることを試します。それでも合わせられなければ、潜降を続けない、という判断があります。
「強く力を入れればよい」「少しの痛みなら進んでよい」「我慢すれば慣れる」とは考えません。差を合わせられないまま潜降を続けることが、耳を傷めることにつながる可能性があるからです。
耳のことで不安がある人は、潜る前に、インストラクターや医師に相談してください。
この言葉はどういう意味?
ここまで出てきたものに、名前をつけておきます。
- まわりから押す力のことを「圧力」と呼びます。深くなるほど強くなります。
- 耳の奥の、空気の入った小さな部屋には「中耳」という名前があります。
- 内側と外側の力の差を合わせることを「圧平衡」と呼びます。耳抜きは、耳の圧平衡のための動作です。
- 差を合わせられないまま沈み続けて耳を傷めてしまうことを、「耳の圧外傷」と呼びます。
名前を覚えることが目的ではありません。「差ができるから、合わせる。合わせられなければ、続けない」という流れがわかっていれば十分です。
初めての人に起こることがある例
初めてのダイバーでは、沈んでいくときに耳の内側と外側の差をうまく合わせにくいと感じる場合があります。すべての人に当てはまるわけではありません。
合わせにくいと感じたときにしてほしいのは、上に書いたとおりです。無理に沈み続けず、少し浅いところへ戻って穏やかに試し、合わせられなければ潜降を続けない。
インストラクターは何を見ている?
一緒に潜るインストラクターやガイドは、たとえば次のようなところを見ています。
- 沈んでいく途中で止まる、上を見る、耳のあたりに手をやる、といった動き
- 痛みや違和感を伝える合図が出ているか
- 視線の向きと、沈んでいく速さの変化
これは決まった手順ではなく、一般的な観察のポイントです。だから、耳に違和感が出たら早めに合図を出すことが、いちばんの助けになります。
想定シナリオ:自分だけ止まるのをためらったとき
【想定シナリオ】(実際の出来事ではなく、イメージをつかむための架空の例です)
周りの人がどんどん沈んでいく中で、自分の耳だけがつまってきた。「自分だけ止まるのは気が引ける」と思って、合図を出すのが少し遅れてしまう。
この場面で思い出してほしいのは、周囲が潜っていても、痛みや不快感があるなら無理に潜降を続けない、ということです。止まって合図を出すことは、正しい行動です。
覚えて帰る3ポイント
- 耳の奥には空気の入った部屋があり、潜ると外側から押す力が強くなって、内側との間に力の差ができることがある。
- 耳抜きは、その内側と外側の差を小さくする動作。
- 痛みや不快感があるときは無理に潜降を続けない。少し浅くして穏やかに試し、合わせられなければ続けない。
確認クイズ
Q1. 沈んでいく途中で耳が痛くなった。どうする?
ア. 痛みを我慢して沈み続ける イ. 力を入れて押し切る ウ. 無理に続けず、少し浅くして穏やかに試す
Q2. 耳抜きは何をしている?
ア. 耳の中の水を出している イ. 耳の奥の空気の部屋と外側の力の差を小さくしている ウ. 耳を温めている
答え:Q1はウ。痛みや不快感があるときは無理に潜降を続けず、少し浅くして穏やかにもう一度試します。合わせられなければ、潜降を続けない判断があります。
Q2はイ。耳抜きは、耳の奥の空気の部屋(中耳)と外側との力の差を小さくする動作です。
次に理解するとよいこと
この記事では、耳が痛くなる理由と、耳抜きが「差を小さくする動作」だということ、そして痛いときは続けない理由を見てきました。
- 耳抜きの具体的なやり方や、うまくいかないときの困りごとは、耳抜きの方法の記事で扱っています。
- マスクが顔に押しつけられる理由は、別のレッスン「潜るとマスクが顔に押しつけられるのはなぜ?」で見ていきます。
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