潜るとマスクが顔に押しつけられるのはなぜ?

SOLBOY Learning Lesson 3 / 20(基礎を知る)|全20レッスンの一覧

マスクをつけて水面から沈んでいくと、マスクが顔にぎゅっと近づいてきて、吸いつくように感じることがあります。ガラスが顔に近づくような感じです。

この記事では、なぜそう感じるのか、そして「鼻から少しだけ空気を出す」という動作にどんな意味があるのかを、専門用語を使わずに説明します。

まず何が起きるの?

沈み始めてしばらくすると、マスクが顔に押しつけられるように感じることがあります。「吸いつく」「引っぱられる」と言う人もいます。

この感じは、沈んでいくにつれて、まわりから押す力が強くなることと関係しています。

30秒で理解

  • マスクと顔のあいだには、空気が入っている。
  • 潜ると、外からマスクを押す力が強くなり、中の空気との間に力の差ができることがある。
  • 鼻から少量の空気をマスクの中へ出すと、その差を小さくできる。

なぜそうなる?

マスクと顔のあいだには、空気がある

マスクをつけると、顔とガラスのあいだに、小さな空気の空間ができます。ふだんは意識しませんが、この空間が「押しつけられる感じ」の出どころです。

潜ると、外側から押す力が強くなる

水の中では、深くなるほど、まわりから押す力が強くなります。この力は、マスクの外側からもかかります。

内側との差ができて、顔に押しつけられるように感じる

マスクの中の空気の力が、外側より小さいままだと、マスクが顔へ吸いつくような状態になることがあります。これが「押しつけられる」感じの正体です。

鼻から少しだけ空気を出す、という意味

鼻から少量の空気をマスクの中へ出すと、内側と外側の差を小さくできます。少量で十分です。

手でマスクを押さえても、この差は変わりません。差を小さくするのは、中に空気を足すことです。

実際の海ではどう感じる?

初めて潜る人では、耳の圧力調整や浮力・姿勢など複数のことへ注意が向き、マスクへの対応が後回しになる場合があります。全員に当てはまるわけではありません。

マスクが顔に押しつけられる感じがしたら、鼻から少量の空気をマスクの中へ出します。

「マスクのサイズが合っていないからだ」とは考えません。サイズに関係なく、潜れば外から押す力は強くなります。対応は同じで、中に少量の空気を足すことです。

この言葉はどういう意味?

ここまで出てきたものに、名前をつけておきます。

  • まわりから押す力のことを「圧力」と呼びます。深くなるほど強くなります。
  • マスクの内側と外側の力の差を合わせることを「圧平衡」と呼びます。鼻から少量の空気を出すのは、マスクの圧平衡のための動作です。
  • マスクが顔に押しつけられる状態を、「マスクスクイーズ」と呼ぶことがあります。

名前を覚えることが目的ではありません。「差ができるから、中に空気を足す」という流れがわかっていれば十分です。

初めての人に起こることがある例

初めて潜る人では、耳の圧力調整、浮き沈み、姿勢など、複数のことへ注意が向いて、マスクへの対応が後回しになる場合があります。すべての人に当てはまるわけではありません。

沈んでいく途中で、鼻から少量の空気をマスクの中へ出すことで、差を小さくできます。マスクの感じに気づくことが、最初の一歩です。

インストラクターは何を見ている?

一緒に潜るインストラクターやガイドは、たとえば次のようなところを見ています。

  • マスクが顔に近づいている様子、ガラスと顔の距離
  • 目の周りの表情の変化
  • 耳や浮き沈みに注意が向いている参加者の、マスクの様子

これは決まった手順ではなく、一般的な観察のポイントです。

想定シナリオ:耳に集中していたら

【想定シナリオ】(実際の出来事ではなく、イメージをつかむための架空の例です)

耳抜きに集中していたら、いつの間にかマスクが顔にぎゅっと近づいている感じがする。気づいて、鼻から少し息を出すと、差が小さくなって楽になった、という場面。

ここで思い出してほしいのは、沈んでいく途中で、鼻から少量の空気をマスクの中へ出すことで、内側と外側の差を小さくできる、ということです。耳のことは、耳のレッスンで扱います。

覚えて帰る3ポイント

  1. マスクと顔のあいだには空気があり、潜ると外から押す力との差で、顔に押しつけられるように感じることがある。
  2. 鼻から少量の空気をマスクの中へ出すと、その差を小さくできる。
  3. 耳や浮き沈みに気を取られて後回しになる場合があるので、感じたら早めに空気を出す。

確認クイズ

Q1. 潜っていくと、マスクが顔に押しつけられる感じがした。どうする?

ア. 手でマスクを押さえる イ. 鼻から少量の空気をマスクの中へ出す ウ. マスクを外す

Q2. マスクが顔に押しつけられるのはなぜ?

ア. マスクの中の空気の力が、外より小さいままだから イ. マスクが重いから ウ. 水が冷たいから

答え:Q1はイ。鼻から少量の空気を出すと、差を小さくできます。

Q2はア。マスクの中の空気の力が外側より小さいままだと、顔へ吸いつくような状態になることがあります。

次に理解するとよいこと

この記事では、マスクが顔に押しつけられる理由と、鼻から少量の空気を出す意味を見てきました。

  • 耳が痛くなる理由と耳抜きの意味は、レッスン「潜ると耳が痛くなるのはなぜ?『耳抜き』は何をしているの?」で扱っています。
  • 耳・浮き沈み・姿勢など、いくつものことに同時に注意が向いて対応が後回しになる現象(タスクローディング)は、別のレッスンで扱います。
  • マスクが曇る・水が入るときの対処は、別の記事で扱っています。