水中で、沈み続けず浮き続けずにいられるのはなぜ?

SOLBOY Learning Lesson 5 / 20(基礎を知る)|全20レッスンの一覧

水の中で、沈みもせず、浮きもせず、同じくらいの深さにふわっととどまっている。ダイビングの映像などで、そんな様子を見たことがあるかもしれません。

この記事では、なぜそんなふうにとどまっていられるのかを、専門用語を使わずに説明します。

まず何が起きるの?

水の中に入ると、体は少し浮こうとしたり、少し沈もうとしたりします。そして、ある条件がそろうと、大きく浮きも沈みもせず、同じくらいの深さにとどまっていられる状態になります。

初めのうちは、とどまろうとしても少し浮いたり沈んだりを繰り返すことがあります。

30秒で理解

  • 水の中の物には、上へ持ち上げようとする力が働く。
  • 体や器材の重さは、下へ行こうとする。
  • 上へ行こうとする側と下へ行こうとする側がつり合うと、大きく浮きも沈みもしない。

なぜそうなる?

水の中には、上へ持ち上げようとする力がある

水の中に入った物には、上へ持ち上げようとする向きの力が働きます。

下へ行こうとする側もある

一方で、体や器材の重さは、下へ行こうとします。つまり、水の中では「上へ持ち上げる側」と「下へ行こうとする側」の両方が、いつも同時に働いています。

両方がつり合うと、とどまっていられる

上へ持ち上げる側のほうが強ければ浮いていき、下へ行こうとする側のほうが強ければ沈んでいきます。そして、両方がつり合うと、大きく浮きも沈みもしない状態になります。これが、同じくらいの深さにとどまっていられる理由です。

つり合いを変えるもの

このつり合いには、いくつかのものが関係しています。体につける重り(ウエイト)、浮き沈みの調整に使う器材(BCD)、そして肺の中の空気の量です。それぞれがどう関係するかは、次のレッスン以降で見ていきます。

実際の海ではどう感じる?

つり合いがとれているときは、大きく浮きも沈みもせず、その場にとどまっていられます。

つり合いがとれていないときは、少し浮いたり沈んだりを繰り返す場合があります。

この言葉はどういう意味?

ここまで出てきたものに、名前をつけておきます。

  • 水の中の物を上へ持ち上げようとする力を「浮力」と呼びます。
  • 上へ持ち上げる側と下へ行こうとする側がつり合って、大きく浮きも沈みもしない状態を「中性浮力」と呼びます。

名前を覚えることが目的ではありません。「上へ行こうとする側と、下へ行こうとする側がつり合うと、とどまれる」という流れがわかっていれば十分です。

初めての人に起こることがある例

初めてのダイバーでは、一定の深さにとどまろうとしても、少し浮いたり沈んだりを繰り返す場合があります。すべての人に当てはまるわけではありません。

そのときに思い出してほしいのは、上へ持ち上げる側と下へ行こうとする側がつり合うと、大きく浮きも沈みもしない、ということです。つり合いに関係するものは、重り、器材、呼吸のそれぞれのレッスンで見ていきます。

インストラクターと確認したいポイント

練習では、次の点をインストラクターと一緒に確認しましょう。

  • 一定の深さにとどまれているか、上下に揺れているか
  • 手やフィンで位置を保とうとしていないか

想定シナリオ:動きを止めてみたら

【想定シナリオ】(実際の出来事ではなく、イメージをつかむための架空の例です)

水中で止まろうとして手足を動かしていたら、ガイドが動きを止める合図をした。そのままじっとしていたら、しばらく同じ深さにとどまれた、という場面。

この場面では、手足の動きではなく、つり合いがとどまる力になっています。

覚えて帰る3ポイント

  1. 水の中の物には、上へ持ち上げようとする力が働く。
  2. 下へ行こうとする側とつり合うと、大きく浮きも沈みもしない。この状態を中性浮力と呼ぶ。
  3. つり合いには、重り、空気を出し入れする器材、肺の中の空気の量が関係する。

確認クイズ

Q1. 水中で沈みもせず浮きもせずにいられるのは、どんなとき?

ア. 泳ぎ続けているとき イ. 上へ持ち上げる側と下へ行こうとする側がつり合っているとき ウ. 水が冷たいとき

Q2. つり合いに関係するものはどれ?

ア. 重り・空気を出し入れする器材・肺の中の空気の量 イ. 海水の色 ウ. マスクの大きさ

答え:Q1はイ。両方がつり合うと、大きく浮きも沈みもしません。

Q2はア。重り、空気を出し入れする器材、肺の中の空気の量が関係します。

次に理解するとよいこと

この記事では、なぜ水中でとどまっていられるのかを見てきました。次は、つり合いを変えるものをひとつずつ見ていきます。