SOLBOY Learning 知識の補足(計器)|全20レッスンの一覧
ダイブコンピューターは、腕などに着けて、深さや時間を表示する計器です。画面にはいくつもの数字が並んでいて、同じ深さにいるのに減っていくことがある数字もあれば、浅いところへ戻っても変わらない数字もあります。それぞれの数字は、何を表しているのでしょうか?
この記事では、多くのダイブコンピューターに共通する表示の意味と、数字が変わる理由を説明します。
まず何が起きるの?
潜っている間、ダイブコンピューターの画面の数字は、それぞれ違う動き方をします。
- 深さを変えると、すぐに変わる数字がある
- 同じ深さにとどまっていても、少しずつ減っていくことがある数字がある
- 浅いところへ戻っても、変わらずに残る数字がある
数字の動き方の違いは、それぞれが何を測り、何を計算しているかの違いから説明できます。
30秒で理解
- 「今の深さ」は今この瞬間の値、「最大深度」はそのダイビングで一番深かった記録、「潜水時間」は潜り始めてからの経過時間。
- 「その深さにいられる時間の目安(無減圧限界)」は、深さ・経過時間・それまでの潜り方の記録を使って、潜っている間ずっと計算し直されている。
- だから、同じ深さにいても、時間の経過によって目安が減ることがあり、浅いところへ移ると増えることもある。
なぜそうなる?
測っている値と、記録している値
多くのダイブコンピューターは、潜っている間、次のような値を表示します。
- 今いる深さ:今この瞬間に測っている深さ。上下に動けばすぐに変わります。
- 最大深度:そのダイビングで一番深かったところの記録。浅いところへ戻っても、その値は残ります。
- 潜水時間:潜り始めてからの経過時間。止まっていても進み続けます。
SDI(ダイビングの指導団体)の解説では、深さ・時間・水温は標準的な表示とされ、Garmin(計器メーカー)の取扱説明でも、今の深さや最大深度、浮上・潜降の速さ、水温などを画面で確かめられることが説明されています。
目安の時間は、ずっと計算し直されている
深さと時間で、その深さにいられる時間の目安が決まることは、基礎の20レッスンの一つで扱っています。ダイブコンピューターは、潜っている間の深さと時間の記録を使って、この目安を計算し続けています。
PADI(ダイビングの指導団体)の解説でも、ダイブコンピューターは潜っている間の実際の深さと時間をもとに、この目安を絶えず計算し直していると説明されています。そのため、深さを変えたときだけでなく、同じ深さにとどまって時間がたつだけでも、目安の数字が減ることがあります。深いところから浅いところへ移ると、目安が増えることもあります。なお、機種や計算結果によっては、長い時間を上限の表示でまとめて示すこともあり、そのあいだは画面の数字が変わらないこともあります。
それまでの潜り方も、計算に使われている
目安の計算には、今の深さだけでなく、そのダイビングでどの深さにどれだけいたかという履歴が使われます。同じ日に何本か潜るときは、前のダイビングの記録も含めて計算する機種が一般的です。
体の中を測っているわけではない
ダイブコンピューターは、体の中の状態を直接測っているわけではありません。PADIの解説では、測った深さと時間をもとに、決まった計算のしかた(モデル)で見積もっていると説明されています。表示は、この見積もりの結果を数字で示したものです。
浮上の速さも分かる
深さを測り続けているので、深さの変わり方から、浮上や潜降の速さも分かります。浮上の速さを表示したり、速すぎるときに知らせたりする機種が多くあります。
この言葉はどういう意味?
ここまで出てきたものに、名前をつけておきます。
- 深さと時間を測り続けて表示する計器を「ダイブコンピューター」と呼びます。
- 今いる深さを「深度」、そのダイビングで一番深かったところの深さを「最大深度」と呼びます。
- 減圧停止を必要としない範囲で、その深さにとどまれる時間の目安を「無減圧限界」と呼びます。
名前を覚えることが目的ではありません。「今の値」「そのダイビングの記録」「記録から計算した目安」の3種類がある、と分けて見られれば十分です。
実際の海ではどう感じる?
初めてのうちは、画面の数字が多くて、どれが何を表しているのか迷うことがあります。「今の値」「記録」「計算した目安」のどれなのかを分けて見ると、数字の動き方の意味が分かりやすくなります。表示の名前や画面の場所は機種によって違うので、使う機種の取扱説明書で確かめられます。
当店のレンタルでは、ダイブコンピューターはフルレンタルには含まれず、別に1日単位で借りられます。料金は料金ページをご覧ください。
講習で一緒に確かめたいこと
- 使う機種で、今の深さ・最大深度・潜水時間・目安の時間が画面のどこに出るか
- 同じ深さにいるとき、目安の数字がどのように変わっていくか
想定シナリオ:同じ深さなのに数字が減っていく
【想定シナリオ】(実際の出来事ではなく、イメージをつかむための架空の例です)
砂地の上で、同じ深さにとどまって生き物を眺めていた。深さの数字はほとんど変わらないのに、画面のもう一つの数字は少しずつ減っていった。少し浅いところへ移ると、その数字は増えたが、「最大深度」の数字は最初に一番深く潜ったときのまま変わらなかった、という場面。
この場面で起きていたことは、表示の種類の違いで説明できます。減っていった数字は、深さと経過時間の記録から計算し続けている目安で、時間がたつだけでも計算し直されて減りました。浅いところへ移ると、計算の結果、目安が増えました。最大深度は今の値ではなく、そのダイビングで一番深かったときの記録なので、浅いところへ移っても変わらなかったのです。
覚えて帰る3ポイント
- 画面の数字には、「今の値(今の深さ)」「記録(最大深度・潜水時間)」「記録から計算した目安(無減圧限界)」がある。
- 目安の時間は、深さ・経過時間・それまでの潜り方の記録を使って、潜っている間ずっと計算し直されている。同じ深さでも、時間の経過によって減ることがある。
- ダイブコンピューターは体の中を直接測っているわけではなく、測った深さと時間から見積もっている。
確認クイズ
Q1. 同じ深さにとどまっているのに、その深さにいられる時間の目安が減っていくのはなぜ?
ア. 時間がたつことも計算に使われ、目安が計算し直されているから イ. 電池が減っているから ウ. 深さを測れなくなったから
Q2. 浅いところへ戻ったのに、「最大深度」の数字が変わらないのはなぜ?
ア. 故障しているから イ. 今の深さではなく、そのダイビングで一番深かったときの記録だから ウ. 浅いところでは深さを測らないから
答え:Q1はア。ダイブコンピューターは、深さだけでなく経過時間や履歴も使って目安を計算し続けているので、同じ深さでも、時間の経過によって目安が減ることがあります。
Q2はイ。最大深度は、そのダイビングで一番深かったところの記録なので、浅いところへ移っても残ります。
次に理解するとよいこと
この記事では、ダイブコンピューターの画面に並ぶ数字の意味と、数字が変わる理由を見てきました。
- 深さと時間で、いられる時間の目安が決まる理由は、レッスン「深さと時間で、潜っていられる長さの目安が決まるのはなぜ?」で扱っています。
- タンクに残っている空気を確かめる理由は、レッスン「ダイビング中、タンクに残っている空気を確認するのはなぜ?」で扱っています。
- 潜ったあとの記録のつけ方は、「ダイビングのログブックとは?」で紹介しています。